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Cute Movies

赤いアモーレ

監督:セルジオ・カステリット

この作品の原題は「Non ti muovere」。訳すと「動かないで」「そこにいて」「そのままでいて」。

 この映画を見る
前に頭の片隅に置いて見るのも良いと思う。内容は裕福で美人な妻エルサを持つ外科医ティモーティオ(セルジオ・カステリット)。なんの不自由もない彼だが
家庭に居場所を見つけられない。そんな彼の娘がバイク事故に遭い瀕死の重傷を負う。混乱のなか彼が窓の下に見た者は、15年前出会い喪った女イタリア(ペ
ネロペ・クルス)であった。
15年前の思い出が彼の脳裏によみがえる。 往診の帰り道車が故障し、その時出会った女性イタリアは貧乏で着ている洋
服さえ汚らしい。彼はまるで紙くずのように彼女を犯した。しかし、彼は彼女を忘れることができず逢瀬を重ね、そして彼女は妊娠。しかし、運命のいたずらか
妻エルサまで妊娠してしまうのである。何も言わないティモーティオ。イタリアはエルサの妊娠に気が付き黙って堕胎する。やがてエルサが出産。その時ティ
モーティオは誰よりもイタリアを愛していることに気が付き、イタリアの元に走る。2人はイタリアの故郷に行くが、そこでイタリアは病死してしまうのだっ
た。時が流れ愛娘を失うかもしれない今、彼は窓の外のイタリアに懇願しようとするのだが・・・
彼女は死に神か?あるいは救いの女神か?

映画の中で「行かないで」「ここに居て」「そのままでいて」とこの原作の題名に繋がる台詞や映像があちこちに散りばめられている。イタリアの何をされようとも黙って彼を受け入れる姿には「私を捨てないで、このままでいて」と言う願いを身体で訴える迫力がある。

ネロペ・クルスはこの役で美しくはなかった。はすっぱで着る物も汚らしく化粧も下品。歩き方もどこか品がない。いつも汗まみれで汚れてる。こんな役を彼女
ができるのか!この映画を見て彼女の役者としての成長を感じざるを得ない。 彼女の精一杯の力を出し切った気迫がスクリーンを通して伝わってくるようだっ
た。

ティモーティオの気持ちをよく現してると思ったのが、彼の服装である。彼は家庭では決して背広を脱ごうとしない、いつもネクタイをし
ている。そんな彼がイタリアの家ではTシャツ姿でゲームに夢中になっているのだ。彼の心の陰と陽、閉と開。その部分を彼の洋服でうまく表現している。

監督主演を演じるセルジオ・カステリット。彼は原作者のマーガレット・マッツアンティーニと夫婦なのだが、2人の中でこの作品の制作にあたってどんな会話がなされたのかなぁ。。。。


れにしても、イタリア映画ってSexシーンが過激と言うかリアルと言うか、やっぱりアメリカ映画とは違う味を持っているって思う。その場面だけでもドキド
キしてきてしまった私です(笑)(セルジオ・カステリット・・・真正面から見るとジャン・レノに似てると思うのは私だけ?)

至る所にちょっとしたポイントが散りばめられてる粋なイタリア映画。ペネロペ・クルスの演技が光ってみえる映画でした。

text by...  七福神

2004/12/24