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Cute Movies

インサイドマン

監督:スパイク・リー

UIP映画配給 6月10日よりみゆき座ほか全国ロードショー
究極のコラボレーションが醸し出す濃厚なクライムサスペンス!

NY・マンハッタンにある信託銀行で強盗事件が発生。頭脳明晰な犯人グループのリーダーは人質全員に自分たちと同じジャンプスーツに着替えるよう命じ警察を撹乱する。が、警察側もベテランのネゴシエーターと頑強なSWATを配し犯人側と徹底抗戦の構えを見せる。膠着状態を続けるか?強行突破か?犯人側と警察との虚々実々の駆け引きのなか神経をすり減らすような心理戦が繰り広げられていく。
計算し尽くされているこの犯罪計画には、信じられないような衝撃的なラストが用意されているのだった・・・。
巧みなシナリオ展開で進んでいくこのドラマ。サスペンスもふんだんに盛り込まれて思わずスクリーンに釘付けになる。しかしこの映画、ドラマの面白さもることながら、とにかくこのキャストがエライ!
2度のアカデミー賞に輝くデンゼル・ワシントンは犯人側と接触する敏腕ネゴシエーターを見事に演じきり、こちらもまた2度のオスカーを獲得しているジョディ・フォスターが、狡猾な女弁護士を外連味たっぷりに演じている。通常ならこれでお腹いっぱい!十分に満腹!なのだが、しかしこの2大オスカー俳優の競演は、本作に限っていえばオマケ(デンゼル&ジョディ!失敬)というかデザートのようなもの・・・。じゃあ、メインディッシュは一体誰??誰なの?
その人は全身をジャンプスーツで身を包み、顔にはマスクとサングラス!!!これで全編を通す憎い奴!
だからあんたは一体誰なの??
(クライブ・オーゥエかっこええ!って・・・マジ覆面にサングラスじゃん!?どんなお顔かは、劇場で確かめましょう!ちなみに右の人)

お答えしましょ!クールに犯人グループのリーダーを務めるクライブ・オーゥエンこそがこのドラマの真の主演でありオスカー俳優たちを蹴散らすほどエライ演技を爆裂させてくれる。役者の神髄は目と顔の表情で決まるハズなのに・・・オーウェンは覆面とサングラスにもかかわらずその圧倒的な存在感を見せつけてくれる。何ちゅう役者だ!思わず脱帽!脱カツラ!だ。
しかも面構えがいい。みるからにタフなのだ。タフなヒーローといえばこれまでクリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ラッセル・クロウといったハリウッドのアクターがいるが、クライブ・オーゥエンはそんなハリウッドヒーローのバトンを渡されてもいいイケメンダイナマイトガイなのだ。勿論セクスイ~だ。
エライキャストはまだまだいる。「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐(エーデルワイスの歌声よ今いずこ~)ことクリストファー・プラマーは怪しげな銀行会長を熱演。悪役ヅラの強面オヤジで有名なウイレム・デフォーは今回、警察の陣頭指揮を執るエライ人を難なくこなす。「堕天使のパスポート」の演技派キウェテル・イジョフォーはデンゼルのパートナーを好演。いずれ劣らぬ個性派の俳優が大集結なのだ。これほどまでに映画界最強のゴージャスなコラボレーションは近年のハリウッド映画にしてはマジで珍しい!

究極のキャストを料理したシェフ、スパイク・リーは人種問題を鋭くえぐった「ドゥ・ザ・ライト・シング」で注目を集め、伝記大作「マルコムX」などで人種問題をはじめ様々な社会問題を描き続けてきた監督だが、本作のように第一級のエンターテイメントを撮るのは初めてだ。これまで評価ばかりが先行していたスパイク・リー作品だが、本作は高い評価を得た上、全米興行ナンバーワンを刻み、興行的にも大ヒットを記録したリーの記念碑的作品。
しばし大人の映画に酔いしれようではありませんか。

text by...  茶柱達蔵

2006/06/12