小論文対策講座の受講生による投書が「山陽新聞」に掲載されました。
以下、記事全文です。

◆タイトル
「努力は必ず人を変える」

◆本文
　先日、女子競泳の池江璃花子選手が複数種目において東京五輪代表内定を掴んだ。およそ二年前に急性リンパ性白血病を患い、水泳はおろか生命の危機にまでひんしたが、辛い闘病生活を乗り越えたのみならず、水泳選手として再び脚光を浴びた。大会で優勝し涙ながらにインタビューに応じる姿に、テレビで見ている私まで感極まる思いだった。
　「努力は裏切らない」という言葉がある。池江選手のような奇跡的ともいえる復活劇は、もちろん彼女の類いまれな努力があってのことだが、しかしその努力が必ずしも自らが望む結果に繋がるとは限らないのもまた事実だ。
　では、「努力」は何を裏切らないのか。努力は必ず人を変える。たとえ結果が伴わなくとも、血肉となって人の内面から変化させる。つまり、努力は結果を裏切らないのではなく、自分自身の変化を裏切らないのだ。池江選手の姿に多くの人々が感動するのは、記録に迫るタイムや輝かしいメダルに対してではなく、どんな状況でも今の自分を変えようと諦めず努力を惜しまなかったその姿に、だ。