岡山市で『自然素材×自由設計』の家づくりをしているタウンハウス⌂
現場監督の松本です。
最近では、外壁をモルタルで仕上げる「湿式工法」を見かけることが少なくなってきました。
工期の短さやコスト面から、サイディングを使った「乾式工法」が主流になりつつあります。
それでもなお、塗り壁を選ばれるお客様がいらっしゃるのはなぜでしょうか。
今回は、サイディングと塗り壁、それぞれの工程を比較しながら、塗り壁の奥深さと魅力に迫ってみたいと思います。
◉サイディング(乾式工法)の工程はシンプル
サイディングは、以下の4つの工程で完了します。
1. 透湿防水シートの施工
2. 通気金物または胴縁の取付
3. サイディング張り
4. 目地のコーキング
透湿防水シートの施工は、雨水の侵入を防ぐために、どちらの工法でも必ず行う工程です。
乾式工法では、通気金物を使って壁の中に空気の層をつくり、湿気がこもらないようにします。
◉塗り壁(湿式工法)は、手間と技術の積み重ね
一方、塗り壁は以下のように8つの工程があります。
1. 透湿防水シートの施工
2. 通気胴縁の取付
3. ラス地張り(ヒノキやスギの板)
4. フェルト張り(アスファルト含浸紙)
5. メタルラス張り(波形ラス)
6. 下塗り(モルタル下地)
7. 中塗り(メッシュを塗り込む)
8. 仕上げ塗り(ジョリパットなど)
このように、工程はサイディングの倍。
しかも、モルタルを塗る前には、サッシや水切りが汚れないように丁寧な養生も必要です。
中塗りでは、ひび割れを防ぐためにメッシュを同時に塗り込みます。
昔は「しび目地」と呼ばれるスジを入れて、意図的にヒビを誘導する方法もありましたが、現在ではあまり使われなくなりました。
◉仕上げに込める、職人の感性と技術
仕上げ塗りには、当社では主にアイカ工業の「ジョリパット」を使用しています。
ジョリパットは弾性があり、ひび割れしにくいのが特長です。
仕上げの前には、実際の材料を石こうボードなどに塗って、コテの跡をどの程度残すかなどをお客様と相談しながら決めています。
複数の左官職人が仕上げるため、イメージを共有するためのサンプル作りも欠かせません。
◉塗り壁に宿る、唯一無二の美しさ
塗り壁は、工程が多く、天候にも左右され、コストもかかります。
それでも、職人の手で丁寧に仕上げられた塗り壁には、サイディングにはない奥深さと温もりがあります。
それは、時間と手間をかけたからこそ生まれる、唯一無二の美しさ。
効率だけでは語れない、左官仕事の魅力がそこにはあります。
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